スパゲティ

 

1)スパゲティ・その一

   ごはんを炊くより、スパゲティの方がやや面倒くさ度が低いので、
  僕はよくスパゲティを食べます。
  一番よくやるのは(庶民の)イタリア人の家に行ったら、よく出てくるやつで、
  スパゲティをゆでたらさっとお湯を切り、
  ボールに移してオリーブオイルをちょっとかけてほぐして、
  そこに缶詰の皮むきトマト(トマトピューレじゃないよ)
  を適当に切って入れ、かき回して終わりというやつです。
  味はありません。
  どうしても味が必要な場合は、塩をかけてください。
  パルメザン・チーズなんてかけたら、チーズの味だけになるのでお勧めできません。

2)スパゲティ・その二

これは少しこっているので、日本のイタ飯屋でも食べてる人がいますが、
  おいしいわけがないスパゲティです。
  にんにくの皮をむいて(片手の手でもちきれなくなるくらいでよいです)、
  きれいにスライスに切ってもいいし、めったやたらムチャクチャに切ってもいいですが、
  とにかく小さく切って火が通りやすくしてください。
  それと同時に乾燥唐辛子(鷹の爪でも丸いのでもいい)
  を割って種を捨てて水につけておいて下さい。
  5分で十分です。
  用意ができたら、にんにくと乾燥唐辛子を多めのバターで炒めてください。
  にんにくがパリッとしたら、ゆでたスパゲティ(オリーブオイルでほぐしておく)
  の入ったボールにこれをぶっかけてかきまぜて終わりです。
  味はありません。
  どうしても味が必要な場合は、塩をかけてください。

3)スパゲティ・その三

これは僕が作るスパゲティで一番ゴージャスなものです。
  作り方はその一とその二を合計します。
  味はありません。
  どうしても味が必要な場合は、塩をかけてください。
 
 
  上記三つの料理をおいしく食べるこつはどう考えても次の三つしかありません。

  【こつ1】  よいスパゲティを選ぶ。

  【こつ2】  よい塩を選ぶ。

  【こつ3】   手際良くやる。

  あらゆるブランドもんの入る日本では、
  【こつ1】は問題ないでしょう。
  但し、少し細い目のを選ぶ方がいいです。
  味なしで太いスパゲティを食べ続けるのは骨が折れます。
  「COTTURA : 6 MINUTI」と書いてあるのを僕は使っています。
  普通のは「COTTURA : 11-14 MINUTI」って感じです。

  【こつ2】は日本では案外問題かもしれません。
  僕はアフガニスタンの山の塩を削って使うので、
  それだけでアレキサンダー大王の遠征からキプチャクハン国に玄奘僧正まで、
  何百種類もの味を味わえて幸せいっぱいですが、
 そんなものが輸出されてるとは思えないので、
  代替策としては、Rock Salt を買ってきてこれをガリガリ砕いて使うか、
  赤穂の天然塩を使うか、
  とにかく精製されてない塩を探して使うしかないでしょう。
  でないとホントに味がない澱粉のかたまりを食べるはめになります。

  【こつ3】は、スパゲティのゆで上がりにすべてのタイミングを合わせる
  ということだけです。
  失敗すれば、冷めたスパゲティを炒めて焼きスパにするか、
  ゆですぎのスパゲティを病院食を試食するつもりで食べると良いでしょう。


 
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