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ついに帰国の日がやって来て、土産物を買いあさって飛行機に乗り込んだところ、Hちんがカーラチーの税関にひっかかり、係官にねちねちと取り調べられたので、私が文句を言ったらすぐに解放されて、みんなでノンアルコールビアを呑んで飛行機を待ち日本に帰った次第

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 翌日は夕方まで、絨毯や工芸品を買いあさり、暗くなり始めた頃、イスラマバード空港に到着した。飛行機は予定通りに離陸し、イスラマバードはあっけないほど簡単に視界から消えた。カラーチーで、関西空港行きの飛行機に乗り換えたのだが、旅行初日に感じた異様さは、もうこの空港のどこにも残っていなかった。良く見れば、喜んでいる人、怒っている人、悲しんでいる人、色々な人がいて、服の色形こそ同じだが、みんなそれぞれに違った表情をしていた。もちろん、異国で警戒心を完全に解き放ってしまうのは、単なる馬鹿だが、少なくとも、見慣れないものへの恐怖感から来る、過剰な警戒心と猜疑心は、この時の私には、もはやなくなっていた。

 終しまい。