オグの経済学講座

<連絡箱よりの抜粋>


Date: Wed, 18 Nov 1998

----バンダイゴ----

最近読んだ本。

日経文庫の「ベーシック・外国為替入門」、難しいから途中で講談社新書の「外国為替の見方」に変えたけど、やっぱり難しくて、難儀してる。経常収支と、資本収支と、金融計上を足したらゼロになる理由が分かる人は教えてください。

「リスク―神神への反逆」:前半部分の確率論の歴史を読み終えた頃に挫折した。

「大破局−デリバティヴという怪物にカモられる日本」:デリバティブのしくみがある程度想像できて面白い

「アジア通貨危機の経済学」:バンコックで作りかけの高速道路が、さび付いた鉄骨をむき出しにしてた理由が良く分かった。

他にも日経文庫のベーシックものを二三冊とアジア通貨危機関係を二三冊、デリバティブ関係を二三冊読んだ。それでもってちょと分かってきたことは、冷戦構造の終焉が全然喜ばしい事態ではなかったということや。共産主義国があったおかげで、資本主義国の問題点がうまく回避されて来たいうことがだんだんわかってきた。福祉を削って、何もかも市場原理に任せる言うのが最近の傾向やけど、これて、アダムスミスが「神の見えざる手」を仮定した時と、どこがちゃうんや? 共産主義があればこそ、資本主義国家も、一方で福祉国家を目指し、管理経済を目指したんやないかと思う。このままやと、資本主義国家は、ほんまに新たな貴族階級をうむで。いや、すでに生んどるやろな。この前新聞か何かでよんだけど、ビルゲイツは全米国民の半分以上の資産をもっとるらしいで。

第二のマルクスが生まれるか、封建社会に逆戻りか、このままやとどっちかやな。どっちを選んでも経済成長は止まる。世の中の大半を貧乏人が占めるようになったら、消費なんか微々たるものになるからな。無能なやつでも適度に裕福な状態に保つのが最善なんや。極端な能力主義は結局社会全体を貧乏にする。資本主義はいつの間にかそのことを忘れてしもたんやないやろか。

というようにわかった風なことを書いたけど、ほんまは基本のところが良くわからへん。だれか、ダウ平均と日経平均の違いをおしえてちょうだい。

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Date: Wed, 18 Nov 1998

----マッチ----

ダウ平均も日経平均もおんなじや。

昔は、今の「日経225種平均株価」っちゅう指数を使う権利を米ダウ・ジョーンズ社からこうとった。

だから「ダウ平均」とか「ダウ指数」とか呼んどった。それを日経新聞が買い、日経平均と呼ぶようになった。

日経という固有名詞を意識してか、NHKでは「東証平均株価」といっている。

ちなみにNY平均株価はDOW JONESと略称されてる。

 

ダウ平均=ダウ指数=日経平均=東証平均株価

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Date: Wed, 18 Nov 1998

----ヂカヂン----

(・・・・・・・・・・略)

ついでに言うと、その「文学界」に村上龍と妙中浩之との対談が載っててこれは面白かった。妙中浩之と言うのは精神分析家やけど、心の問題を経済学のタームや概念で分析しようとしてる、なかなかおもろい人や。

あと「谷崎潤一郎ラビリンス」いう、中公文庫から出始めた、全10巻の選集がおもろい。「刺青」や「卍」や「痴人の愛」とかのビッグな作品の陰に隠れて今まで知られてなかった逸品を、選び出してある。

それにつけても、やっぱりうまいわ。フランスの由緒あるプレイアード全集に日本の作家として初めて名をつらねるだけありまんな。

 

『レディ・ジョーカー』はよう売れてるらしいな。読もかいなと思ったんやけんど、ちょっと前にベストセラーになってて、いろんな書評でも面白いと評判のよかった宮部みゆきの『理由』を買ったらしょーーーーーーーもなかったから、平積みになってる本は警戒してるんや。『血と骨』は当たりやったけど。

 

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Date: Thu, 19 Nov 1998

----磐梯語----

(・・・・・・・・・・)

そんでもって、この前のもう一つの質問で、経常勘定、金融勘定、資本勘定を足したらゼロになる怪談みたいな話を納得行くよう教えてくれる方、探してます。一応自分でも仕方なしに、複式簿記の入門書を読み出したけど、前途は険しいな。「借方」と「貸方」て、なんでそないに奇妙な呼び方をするんか、すでにそこで悩みますな。そやけど、今日読み始めた「初級簿記の知識」(日経文庫)では、「資産と負債と資本を足したり引いたりしたら0になる」という話が出てました。もしかしたら、さっきの三勘定の関係も似たようなもんかも知れへんなと思てます。ところで、資産、資本、負債、の三者についてですが、資産と資本はこれは手元にある金やから、これを足して、そこから負債を引いたら0になる、やったら良く分かるんですが、違うんですわ、これが。実を言うと資本と負債は裏でぐるになってて、この二つを足すと、資産と同額になるんですわ。

ま、よう考えたら、資産と資本を足して負債を引いて0になってしもたら、手元にある金は全部借金でんな。これでは利益が出えへんから、あきませんわな。けど、資本と資産、何で紛らわしいこの両者の一方が味方(手元にある金)で他方は敵(借りた金)なんか、まあ、現実の世界でも敵と味方は紙一重ですが、ややこしい話でんな。

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Date: Sat, 21 Nov 1998

----ハナタレコ----

>経常収支と、資本収支と、金融計上を足したらゼロになる理由が分かる人は教えてください。

> 経常勘定、金融勘定、資本勘定を足したらゼロになる怪談みたいな話

 

経常収支やったらわかるけど 資本収支 金融計上 経常勘定 金融勘定 ってなんの言葉や。

今お勉強中の専門書にはそんな言葉で書いてんのか?

経常収支=P/L勘定、資本=B/S勘定、住んでる世界の違う勘定同士や。金融計上?????これなんや?

ちょっとその専門書の名前教えてくれへんか?少なくとも「ベーシック・外国為替入門」にはそんな事書いてへんわな。講談社新書の「外国為替の見方」か?俺も勉強してみたろ。

 

> ついてですが、資産と資本はこれは手元にある金やから、これを足して、そこから負債

> を引いたら0になる、やったら良く分かるんですが、・・・・・

 

「資産と資本は手元にある金」や無いやろ。資産がいつも手元にあったら貸し倒れでつぶれる会社無いで。

「資産 = 負債 + 資本」と大括りやからわかりづらい。資本の部を資本金と利益に分けて考えたら分かり易いんとちゃうか。

資産 = 負債 + 資本金 やったら利益ゼロや。 

資産 − (負債 + 資本金) → 利益や マイナスやったら赤字や。

資本金は最初につっこんだ金や。

さぁ現金500万でけた。資本金500万でこれからはじめよか、っちゅうてなんもまだはじめて無い時は資産(現金勘定:500万)、負債ゼロ、資本金勘定:500万で貸借バランスしてて利益はまだゼロのままや。

営業始めて、おかげさんで売上は700万上がったけど、全部売掛で3ヶ月先にしか入金されへん、最初の500万も給与やら交通費やら消耗品やらの営業費用で全部つこてもうた、しゃーないから銀行から100万借金して当座をしのいだ。

資産は売掛金の700万と借金したての現金100万の計800万

負債は借入金の100万、当初資本金の500万を足して計600万、これで決算むかえたらむっちゃ自転車操業やのに当期利益は差額の200万や。

ほんでから売掛の700万が焦げ付いて、借りた100万も使ってもうた。銀行に追加融資を頼んだら、あんたとこには貸されへん、それよりこないだの100万返してや、と言われたら負債を抱えて倒産と相成る訳や。

 

ほんでから経常収支やけどな。

とここまで書いてアホらしなってきた。専門書を読んでる人間にこんなどしろうとがなんか書いて何になんねん。 

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Date: Mon, 23 Nov 1998

----番台五郎----

>経常収支やったらわかるけど 資本収支 金融計上 経常勘定 金融勘定 ってなん

>の言葉や。

 

なんか用語の使い方がまちまちになってたんやな。まず、「〜収支」=「〜勘定」=「〜計上」ということみたいや(みたいや、いうのは、厳密には同じ物を違う角度から見て表現したものかも知れへんけど、僕には分かりましぇん、といういうことや)で、この言葉が出てくるのは『為替市場の見方』(この前はタイトルを間違えてた、ごめん)という本や。ところで、『ベーシック・外国為替入門』が難しいとこの前書いたけど、単なる勘違いで、普通に読める本やった。『為替市場の見方』の方が数倍難しい。国際収支の話になったとたんにわからへんようになるんや。

 

>ほんでから経常収支やけどな。

>とここまで書いてアホらしなってきた。専門書を読んでる人間にこんなどしろうとの

>説明書いて何になんねん。

 

別に専門書なんか読んでへんで。前にも書いた通り、全部入門書や。せやから教えてや。とはいうても、経常収支は理解してる積もりや、、、。要は、「物品およびサービスの貿易」での一国の収支ちゅうことやろ。そんでもって、資本収支は「金融の貿易」(つまり、公社債なんかの国債売買)での一国の収支いうことや思う。ほんで、金融勘定ちゅうのが、、、これがようわからへんのや。ちょっと、『為替市場の読み方』から引用するで。

「金融勘定とは、自発的な取引の総合収支の収支尻がどのような調整的取引でファイナンスされたかを示すもので、公的部門(政府・日銀)の保有する対外資産、すなわち外貨準備などの増減と、外国為替銀行の一年以内の流動的な対外資産・負債(為銀の短期的対外ポジション)の増減として示されている。」

あれ? おかしいな今読むと理解できるで。なんでやろ? これは、この前わからんて言うたところも、読んでみなあかんな。

「IMF方式原表では、この金融勘定も資本勘定のなかに含まれており、経常勘定と金融勘定を含めた資本勘定を合わせると、ゼロとなる仕組みになっている。」

そら、そやわなや、、、あれ? わかるやないかい。おかしいな、この前に読んだ時はどうしてもわからへんかったんや。

これて、こういうことなんちゃうか。つまり、「物の貿易」でも、「金融の貿易」でも赤字になった場合、つまり、日本の製品や公社債よりも、たとえばアメリカの製品や公社債がたくさん買われた場合、ドルが足りひんようになるさかい、その足りひんドルをどうやって調達したか、というのが金融勘定ちゅうことやろ。具体的には、足りひんドルは、政府の外貨準備金を減らすか、あるいは、銀行が円よりもドルを沢山買うことで手当てするということやな。せやから、金融勘定いうのは、その外貨準備金の増減とか、銀行の所有する円とドルの比率を表わしとるんや。なんや、そういうことやなかいかい。そら、全部あわせたらゼロになるがな。「もの、金融の貿易」が黒字になったら、外貨準備かドルの「売りまち(ロング・ポジション)」が増える。この増えた場合を、金融勘定ではマイナスと考えるわけやな。逆に、外貨準備が減ったり、ドルの「買いまち(ショートポジション)が増えたら、プラスや。

結局のところ、たとえば、経常勘定で百億ドル黒字、資本勘定で五十億ドル赤字の場合、五十億ドル足りひんから、外貨準備が減るか、外為銀行がドルを買いすぎるということや。その足りひん五十億ドルが金融勘定やな。IMFの方式やと、資本勘定と金融勘定は一体化しとるから、資本勘定マイナス百億ドルで、経常収支とあわせたらゼロや。な〜〜んや。けど、ホンマにこれで正しいんかいな。IMF方式やと、金融勘定のマイナスはマイナスのままやのに、日本方式やとマイナスがプラス、プラスがマイナスになるやないかい、、、、、。あ、ええんや。日本方式は円中心で、IMFはドル中心やさかい、そうなるんや。外貨準備とか、外為のドル所有を増やすためには、円を使うさかいな。円建てで考えたら、マイナスや。けどドル立てでみたら、文字どおりドルが増えてるからプラスや。しやがな、しやがな。わかったやんけ。けけけけけけけ(喜びの笑いや)。ちゅうことで、お騒がせしました。もし、上の考え方で間違ってたら、誰か指摘してください。

 

ところで、鼻チン。証券が抹茶んなら、金融は鼻チンやな。質問してもええ

か。、、、、返事がないけど、質問するで。

「ところでこの直先スプレッドどのようにして出てくるのであろうか。(中略)金利裁定取引により、関係通貨二国間の金利差で決まる」

というとこや。「金利裁定取引により」というメカニズムは分かるんや。要は、アメリカでたとえば年率5%、日本で年率1%の金利の場合、六ヶ月のドルの先物は、直物のドルに比べて、2%安い値段になるということやろ。なんせ今ドルを買うといたら、つまり直物を買ったら、6ヶ月後には円の四倍2%の利息が付くんやさかい、6ヶ月後に買う理由がないからな。極端な話、この金利差で直物と先物が同じ値段(スプレッドが0)やったら、僕は持ってる円を全部ドルに変えるで。ほんで、そのドルを全部6ヶ月の先物で売ってしもたらええんや。為替相場が変動しても何の危険もないうえに、日本の四倍の金利が手に入るで。しやから、直先(なんて読むんやろ?)スプレッドの仕組みは分かるんや。

問題は、金利差や。たとえば、アメリカと日本の金利差て何や?もちろん、アメリカと日本とで金利が違うのはわかる。問題はどうやって、その差を数値化するんか、ということなんや。銀行の金利くらいなら、平均できるやろうけど、公社債とかもあるやろ。

なんか、常に統計とかが出てて、日米の金利差は一目瞭然なんか?

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Date: Tue, 24 Nov 1998

----ハナタレコゾウ----

俺は金融の専門家や無いで。

> 日本とで金利が違うのはわかる。問題はどうやって、その差を数値化するんか、

専門書に答えは書いてあると思うけど、長期プライムレートかなんか使うんとちゃうか?

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Date: Sun, 29 Nov 1998

----番台後----

ところで、この前の直先スプレッドの金利裁定での金利やけど、経済学の先生に聞いてみたら、「日本の公定歩合、アメリカのプライム・レート」と言うことやった。要は政策金利やな。

 

『ドル大崩落−−アメリカ発・世界恐慌は避けられるか−−』(水谷研二、PHP研究所)っちゅう本を読んだ。最近、この手の本が増えてるな。日本の経済がボロボロやかい、今のところ調子の良いアメリカに何とかけちをつけたいと思てたところに、あの、株価暴落や。「やっぱり、なんかおかしかったんや。ほ〜〜ら、もうアメリカも終わりやで」みたいな調子の本が、書店で平積みになってます。けど、執筆から出版までの間にタイムラグがあるさかい、非常にお茶目なことになっとる。株価大暴落は、経常赤字垂れ流しのアメリカが没落する契機になる、とアジっても、今はもうアメリカの株価が持ち直して、最高値をつけとるからな。

 

それでも、やっぱりアメリカ経済に問題が多いのも確かや。その点ではこの本も面白かった。貿易(経常勘定)赤字をファイナンス(ようは遣り繰りやな)するために、アメリカは世界(主に日本やな)から毎年1000億ドルくらい借金する。その累積が今や1兆ドルを超える。これはアメリカの年間対外輸出額とほぼ同額やそうや。つまり、アメリカを個人に見立てると、年収を上回る借金ができとるということになるな。我が輩も家のローンがあって、その額は3千万超(年収の五倍以上やな)やから、大きなことは言えへんけど、国家が年収を上回る借金を対外的にしとるのはかなり問題やな。我が輩が主に金を借りとる住宅金融公庫は、ある日突然全額一括返済しろ、とは絶対言わへん(と思う)けど、国家の借金は短期資金なんかでファイナンスされることもあるさかい、信用がなくなったら大変や、ドミノ式に返済が滞る可能性もあるわな。国債を償還するために、止む無くドルを印刷しまくったら、ドルの価値が下がる(プラザ合意よもう一度、でんな)。ドル立て資産を大量に所有している日本はふっとぶで。と、こんな風に『ドル大崩落』の著者は言っとります。

けど、「アメリカの信用がなくなったら」っちゅうのが具体的にどういうことなんか今いちようわからへんな。急にアメリカのインフラがめちゃくちゃになって、ニューヨーク行きの飛行機に乗ったら、ワシントンに着いて、シカゴに電話したらタンザニアにかかって、一緒に歩いてた子供が急におらへんようになったら、道路の穴ぼこに落ち込んでたりして、、、、などということが起こらへん限り、大丈夫やろな。少なくとも、自国通貨立てで運用するより、ドル立て運用のほうが圧倒的に安心かつ有利という国がようけある限り大丈夫やと思う。しやけど、アメリカはいつ借金を返すんやろ。日本が泣くことになるんやろな、、、きっと。

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Date: Tue, 8 Dec 1998

----ヂガヂン----

おかんを連れて、村上龍のサイン会に行ってきましたで。

5時からやったから、5時15分前に行ったのに既に長蛇の列。

いったいどこが先頭でどこが最後列なのかわからんぐらい、うねうねと店内に列ができててそれが裏口に回って外に何十人も並んでいる状態。龍さんは売れっ子作家やねんなあと今更ながら、感心してしもたわ。

やっと順番が回ってきて、おかんを見た龍さん、開口一番

「ほんと、結婚式にきてた人によく似てるねえ。」

このネタはハナチンとロバ兄しかわからんやろ。

「インスタントカメラを用意してきたのに、写真はご遠慮下さい、と整理係の人に言われた」と、おかんが龍さんに訴えたら、

「又、遊びに行きますよ。」だって。龍さんどこへ来るんかいな。

 

てなことでした。

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Date: Wed, 9 Dec 1998

----老婆----

>しやけど、アメリカはいつ借金を返すんやろ。日本が泣

>くことになるんやろな、、、きっと。

 

金利はどないなってんねや?トイチぐらい取ったったらどうや。

ちゃんと払てんねやろな、アメリカ。

金利ちゃんと払とんねやったら別に返してもらわんでもええんちゃうか。

いつまででも元金もっといてもろて金利で稼がしてもらおやないか。

絶対、夜逃げせえへん客つかまえたようなもんやから、考えようによってはラッキーちゃうか。

夜逃げしたり自殺したりとんづらかましたりしそうなったら、回収に入らなあかんのやろけど、

まだまだアメリカは絞れるで。

情報産業とか遺伝子工学とかエンターテイメントとかそういう分野でアメリカの圧倒的優位が当分続くからまだ行けるやろ、

というようなことを考えてるわけちゃうねんけどな。

そうやって国力分析みたいなことをするのもええやろけど、

なんちゅうかな、ただの感じやけど、アメリカの大地みたいなんを思い出すと、まだまだ行けるなあという感じがするんや。めちゃめちゃ先進国なのは事実やけど、国土のほとんどはアフガニスタンみたいなもんやろ。まだ開発しきってない、まだ疲弊してないなあと思うんや。まあ、非科学的な印象やねんけどな。

ギリシャとかイギリスとか、いかにも絞りきったいう感じせえへんか。

なんせ小さいからしゃあないわな。

日本がそろそろ老後の身の振り方考えなあかんのちゃうか。

金なくなる前にぼちぼち街の整備でもやってほしいんやけどな。

こんなみすぼらしい先進国、他にないで。

幕末に日本来た外人はみんな日本の美しさに感動しとるっちゅうのに。

センスのええ奴が官僚なって景観整備に金使うようにはなってへんからな。

なんでセンス悪い変なカッコしてる奴ばっかり官僚なるようなことなってもたんや。

昔金持ちやった国は、今、金ないかしらんけど、

街見たら、こらうまいこと金使いよったなあ思えへんか。

スペインとかイタリアとかフランスはなんやかんや言うても街観に富が蓄積しとるがな。

なんの話やったかな。

せや、金返せいうこっちゃな。

新しい顧客開発にせえ出した方がええんちゃうか。

東南アジア抱え込みの方向がでてきとるのはええこっちゃ思うけどな。

IMFと世界銀行が喧嘩しとる間にきっちり客とったらんかえ。

 

マハティールのおっさん防戦に苦労しとるな。

アンワール擁護派とマハティール派の喧嘩話のほんまのところはどうなんか分からんけど、

マハティールつぶして、その後安定が期待できんのかいな。

なんか欧米の関係ない奴が首つっこんで安定より人権を、とか言うてるけど、

そんなこというたかて安定してへん国は人権もへったくれもなくなんでっちゅうこと忘れてるんちゃうか。

カラチ見てみい、毎日撃ち合いして死人の数かぞえてる間にとうとう軍事法廷で即決即断になってもたがな。

通常の司法制度停止してしまいよった。

もうガタガタ言われへんねんからなあ。

あの死人の数見とったらしゃあないわ思うで。

国が止めんで誰が止めんねん、言うこっちゃな。

完全な戒厳令まで踏みこまへんのが不思議なくらいや。

時間の問題かもしれんけど。

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Date: Thu, 10 Dec 1998

----番台後----

>金利はどないなってんねや?トイチぐらい取ったったらどうや。

>ちゃんと払てんねやろな、アメリカ。

>金利ちゃんと払とんねやったら別に返してもらわんでもええんちゃうか。

 

それがうまいこと行かへん、というのが、『ドル大崩落』の味噌ですわ。アメリカに流入してる短期資金が、財政赤字と経常赤字の累積にある日突然びびってしもて、たとえば、ユーロ圏に流れてしもたらっちゅう話でんねんな、これが。当然、アメリカは今まで、自分が印刷したドル札が短期資金として再流入してたから、赤字が平気やった。今度は平気やおません。何せ、ユーロを買うために、皆がドルを売ります。ドルはどんどん価値が下がります。単独のドル安でんな。で、極端な話、ドルが円に対して、現在の半額になってしもたら、金利どころか、元本そのものが半額になります。この時点で、日本は焦土と化したも同然です。生保も銀行もぜええええええええんぶ、つぶれます。

もちろん、これは単なる悪夢です。

 

>まだまだアメリカは絞れるで。

>情報産業とか遺伝子工学とかエンターテイメントとかそういう分野でアメリカの圧倒

>的優位が当分続くからまだ行けるやろ、

 

こういう点からも、アメリカはまだまだ頑張ると思うし、それに、

 

>アメリカの大地みたいなんを思い出すと、まだ

>まだ行けるなあという感じがするんや。めちゃめちゃ先進国なのは事実やけど、国土

>のほとんどはアフガニスタンみたいなもんやろ。まだ開発しきってない、まだ疲弊し

>てないなあと思うんや。まあ、非科学的な印象やねんけどな。

 

というのは、実は我が輩もそう思うんですわ。そんな風に、思うたのは、クエッタに行って、モハメッド・アリからジュニパの話を聞いた時です。この松みたいな木は、魚で言うとシーラカンスみたいなもんです。で、アリは、その木が残っているのは、アメリカとパキスタンだけやと言うとりました。そう言われたとたんに、映画に出てくるアメリカの砂漠地帯を思い出しましたんや。アメリカ言うのは、砂漠に点在するオアシスみたいな都市でできてる国でっしゃろ。何か、いつでもやり直しが利くっちゅう気がしまんな。アスファルト固めの道路に、コンクリートのビルなんやから、砂漠の真ん中に新しいオアシス作るくらい簡単やさかい。日本やったら、東京が崩壊したら、まず後片付けからしなあきません。

 

>スペインとかイタリアとかフランスはなんやかんや言うても街観に富が蓄積しとるがな。

 

日本は町並みにごみが蓄積しとるから、まあええ勝負、、、なはずないか。とりあえず、金はたあああんと使いました、っちゅう景観です。それでも、バンコックの町並みが日本そっくりだったのには、涙が出ました。道が曲がりくねっている上に、狭い道路の上に店の棚がでえええんと突き出とったな、バンコックも。

 

>マハティールつぶして、その後安定が期待できんのかいな。

>なんか欧米の関係ない奴が首つっこんで安定より人権を、とか言うてるけど、

>そんなこというたかて安定してへん国は人権もへったくれもなくなんで

>っちゅうこと忘れてるんちゃうか。

 

こういう先進国の思い込みみたいなのが一番腹立つな。人権とか平等とかが命よりも優先すると思とるアホには蹴りを入れたあなるな。マハティールは腹を括ってるんやと思うで、あえて独裁者になって、現在を乗り切ろうとしとるんや。なんせ、マレーシアにとって、今が経済的な先進国になる最後のチャンスや。これを逃したら、国際分業とかいう美名の下に、永久に先進国の下請け産業国になってまうかも知れへん。下請けは悲しい。上の不況の何倍もの影響をうけるんや。国全体がそういう立場に置かれたら、政治的安定さえも、よそさん次第言うことになる。その瀬戸際なんや。なんせ、自由化が遅かれ早かれ避けられへんとなると、現在の先進国のアドヴァンテージはもはや乗り越え不可能になってまうさかいな。そやのに、経済が不振やとしたら、人権や平等を後回しにするのは当然や。大体ヨーロッパにしても、産業革命の後には人権なんか存在しいひんも同然やったやないかい。16時間労働とかざらやったって何かの本で読んだことがあるで。もちろん、そやから、マレーシアで人権が軽視されても良えということにはならへんけど、経済構造の変換いうのは膨大な犠牲を生むもんやと思う。それはそれで悲しい話やけど。そやけど、そのことを批判する権利はアメリカにもヨーロッパにも、それに日本にもないんや。アフガンでのタリバーンの政策にしてもそうや、国がばらばら、ぐちゃぐちゃになることがどんな苦しいことかを、身をもって経験したことのない奴の批判はいくら正しいても机上論や。

 

最後に、

最近読んだ本:

『欧州単一通貨・ユーロ』(日本経済新聞社):ごく初歩的な入門書、もう少し詳しい本を次には読もうと思う。

『あなたの郵便貯金がおろせなくなる日』(第二海援隊):郵便貯金の高い利子が、公共事業主体の借り入れ金利でまかなわれており、その公共事業主体の生み出す赤字が税金の投入によって賄われている。それゆえ、郵便貯金の利息は税金でまかなわれている、という三段論法みたいな話

今読んでいる本:

『宣戦布告「NO」と言える日本経済』(石原慎太郎、光文社):日本とアジアの経済危機は、隆盛を極めるかつての日本経済に、人種的偏見からやっかみを感じたアメリカが故意に引き起こしたという、陰謀説。最後まで読む気になれるかどうか自身がない。こういう本が平積みでがんがん売られているというのはちょっと危ない気がする。

『ゼロ成長の日本経済』(中村洋一、日本経済新聞社):多数のシミュレーションに基づいて、日本の経済成長が限りなく0に近くなっても、日本人の生活水準は向上するという、夢みたいな話。シミュレーションの約束事や仕組みがいまいち理解できないために、どうも楽観論に見えてしまう。ここに出てくる、プライマリー・バランスが、どういう物なのかが良く分からない。

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Date: Fri, 11 Dec 1998

----番台後----

『「NO」と言える日本経済』ですが、前言撤回です。石原慎太郎もえらい奴です。ちゃんと考えてました。前半の要約は先の通りですが、後半は違いました。要は、東アジア全範囲にわたる、経済圏を作るべきや(円を中心にして)というまっとうな意見でした。しかも、アジアが下請け経済圏と化すことへの、はっきりとした危惧まで言及されてました。言葉づかいが危ないのは確かですが(大東亜円圏という表現は政治的に見て、アジア諸国に受け入れられる可能性が皆無という気がする)、後半の内容は概ね正論という気がします。

 

それと、マハティールのことですが、さっきのことに加えて、日本が彼の政権を支持しつづけるべきなのは確かなことやと思います。たとえば、対米ドルリンギ固定相場性のために、日本がほとんど無利子で外貨準備を貸しつけるというのも一考やと思います。

もちろん、不良債券化するリスクがあるけど、米ドル切り下げで損するかも知れへんのやったら、別にええやないかと思う。少なくとも、先の大戦の日本の立場にある程度理解を示しているマハティールは日本にとっても、アジアの側から出た日本支持者ということで政治的に大事やと思う。徹底的に支援するべきやと思う。インドネシアのスハルトに関しても同じことが言えたと思うけど、もはや手遅れでんな。あ、だんだん盤第五節が出てきたな。とにかく、もうちょっと日本には国益を考えた理念が欲しい、そう思います。

 

ところで、日本の新聞はどないなっとるんや。日本のクオリティペイパーを自負し、他人も認めとった朝日新聞の今日の朝刊、あれはなんや。なんでカレー事件が紙面三頁をつかわんなんほどの大事件なんや。ホンマニ頭に来るで。もう朝日新聞は止めることにした。もう無茶苦茶やで、この新聞は。ずっと銀行の中小企業への貸し渋りを批判しとったくせに、今日の新聞を見たら何や。公的金融機関が中小企業への貸し出しを増やしとると批判しとるんや。批判の根拠は不良債権化して、税金が投入される可能性が高いから、というのがあきれる。それやったら、銀行が貸し付けして不良債権になっても構わへんちゅうことやないかい。もう無茶苦茶やで。ちゅうか、ほんまにアホがジャーナリズムを支配しとるとしか思えへん。しかも、コソボ関係の記事なんかほとんど載ってへんかったんや。第一次世界大戦と第二次世界大戦が発端が、あのあたりにあった言うことを完全に忘れとる。日本ではコソボより、カレー事件のほうが重要というアホナ国に下がっとるんや。末期症状やで。

 

けどな、我が輩は最近日本を見直しても来てる。たとえば、本屋の文学とか哲学のコーナーにさえ、経済関係の本が並ぶようになってきてる。もはや、浮世離れした学問だけではアカンちゅう気が多くの知識人のコンセンサスになりつつあるんやないかと、そんな風に感じるわけや。日本はもともと猿まねの得意な国民を抱えとるさかい、そのうちアメリカの数学者も考えつかへんようなデリヴァティヴを開発するんとちゃうやろか。

ま、一愛国者の贔屓目かも知れへんけど。ロバ兄のいうように、日本が老齢期に来とるとは、今一信じがたいんや。醜悪な町並みを生み出しとる内はまだ成長の余地があるやないかと思うてる。むしろ、まだ改善の余地があるという気持ちがあるということで、成長が生じるんやないかと、そう思うんやけど、やっぱり贔屓目かな。醜悪な京都駅を見ると、日本は堕落だけ一人前にしそうな気もするな、、、、。

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Date: Sat, 12 Dec 1998

----老婆----


ちょっと前の話になるけど、

>経常収支と、資本収支と、金融計上を足したらゼロになる理由が分かる人は教えてください。

>> 経常勘定、金融勘定、資本勘定を足したらゼロになる怪談みたいな話

>経常収支やったらわかるけど 資本収支 金融計上 経常勘定 金融勘定 ってなんの言葉や。

 

収支=計上=勘定みたいな感じやけど、

このへんの言葉は英語でなんちゅうか

番台5の読んでる本には書いてないか?

英語にしたら話がもうちとクリアになりそうな気がしたんやけど。

 

せやけど、ようそんなけ言葉使いも決まってないような日本語の本、読んで発狂せえへんな。

思い起こせばかれこれ20年ほど前になるけど(おおげさか)、

当時一世を風靡した(おおげさか)4人の日本人経済学者(新開、根岸とか)の

共著『近代経済学』(同じタイトル山ほどあんねんけど)を読もうとして、

経済学っちゅうのは、なんちゅうややこしいもんや、

これは世の中まだまだ見捨てたもんちゃうなと感慨にふけって

昼夜わかたず読みふけった

わけはなくて、すぐにほり出したもんや。

 

その後一生経済学にはふれまいと心に誓っても、しゃあないので、

今度は学研社の『プログラム式経済学』というのに手を出したら、また火傷した、

と書いたら文のつながりがええんやけど、

実際はこの問答式に書かれた本を読み進めるうちに

二日で経済学の全貌が分かってしもた、

というのはまたおおげさやけど、

実際二日くらいで読み終わって一応のことが分かるようには書かれてあった。

なんかアメリカ的教科書の臭いがすると思うけど、

ご名答、金平糖、アメリカの大学新入生用教科書の翻訳で、

ところどころ誤訳か誤植か知らんけど、

人をペテンにかけるようなところもあった。

 

その後もいろんな経済学の本に手を出したけど、

20年経って振り返って鐙踏ん張りて見るれば、

経済関係のなんやかんや時事的なこと書いてある本は別にして、

日本語の経済「学」の本で読み通したのは『プログラム式』だけやった。

せやから今でもそういう本読んでると聞いたら不思議なんや。

 

結局、経済「学」の本を読み通したと言えるようになったのは、

アメリカに行ってからや。

これも不思議に聞こえるかもしれんけど、

英語で書かれた経済学の本は異様に分かりやすいんや。

ほんま、どういうこっちゃねんと思たで。

あの日本での悪戦苦闘はなんやったんや。

 

のようなこと言うと、そら語学の達者に人はええわ、

みたいな反応が必ず帰ってくるんやけど、

それは問題がちゃうで。

 

アメリカにおったある時期、

ある日本人の女の子に経済学の家庭教師みたいなことをやっとったことがある。

一回授業したら一回寿司屋でおごってもらうという

ご恩と奉公のアジア的封建制度を確立したんや。

しかし、これがなんと日本の高校の授業もまともに聞いたことないような奴で、

(と言えば、ここのメンバー全員と同じわけやけど)

なんやしらんけど、もとは日本で散髪屋の助手やってて、

サンタモニカに憧れて、思い切って散髪屋辞めて、

親の金借りたか騙し取ったかして、

とりあえずLAに来て、日本食屋でバイト始めて、

アメリカ人のボーイフレンドつくって

(向こうはその子をガールフレンドとはもちろん思てなくて)

地元貧民救済施設みたいなほとんど無料のコミュニティ・カレッジ

(んなんがアメリカにはいっぱいある)に入って、

箔付けて日本に帰るいう魂胆の、

LAでもNYでも犬もあるけば棒にあたる的典型的日本の若人やった。

 

英語がまともに読めるわけがないんやけど、

なんでそれでアメリカのカレッジで勉強できるんや?

と疑問に思うやろけど、ところがどっこい

アメリカには英語読めんアメリカ人なんかなんぼでもおって、

特にそういう収容施設、やのうてカレッジならスペイン語ならちったあ

読めるという程度のから、かけ算でけへん奴までなんでもありで、

カレッジの方も特にそういう人に教育の機会を与えるという使命感に燃えてたりするから、

シャンプーが絶妙にうまい東洋人が英語に問題あろうがなかろうが

誰も気にせんという環境やった。

 

で、その子は経済学が分かったかというと

何一つ分からんままみんなにいじめられて

意気消沈して日本に帰った、

という方が話が分かりやすいから、

そう書いてもう終わろかと思たけど、

事実はそうもいかん事態になったんや。

 

というのは、そうこうしてるうちに、うっかり

その子とねんごろになってしもて、

東京からスチュワーデスは来るわ、

サンノゼからコレラは来るわ、

六本木のねえちゃんまで現れるわで、

にっちもさっちもいかんようなってしもたんや。

 

という話とちゃうかった。

その子は、マクロ経済学の教科書をきっちり一冊理解して

ちゃんと単位とってしもたんや。

教えるというたって、僕がやるこというたら、

その子の教科書を読んで書いてあることを

日本語で説明するいうだけやで。

すなわち元の教科書の叙述の手順が実にええわけや。

 

何を書こうとしたんかほとんど忘れてしもたけど、

日本では経済学を下々の人間には分からんもんにしとこ

という陰謀が密かに実行されてるんちゃうか

ということを言いたかったような気もする。

 

 

というのは、

蛮題語の文を読んで分からへんなと思うところがあったからや。

まんまと陰謀にはまりよったかと思たもんや。例えば、

 

>アメリカに流入してる短期資金が、

 

つまり短期で金貸してるということやろ?

 

>財政赤字と経常赤字の累積にある日突然びびってしもて、たとえ

>ば、ユーロ圏に流れてしもたらっちゅう話でんねんな、これが。

 

で、ユーロ圏に流れるとは、借りとった金を借り手が貸し出しするんか?

 

>当然、アメリカは今まで、自分が印刷したドル札が短期資金として再流入してたから、

>赤字が平気やった。

 

例えば、日本が持ってるドルをアメリカに貸すいうことやな?

 

>今度は平気やおません。何せ、ユーロを買うために、皆がドルを売ります。

 

借りたドルでユーロを買うということやな?

それが「財政赤字と経常赤字の累積にある日突然びびる」ということと

結びつく論理はなんや?

突然びびって、利子踏み倒す

突然びびって、円買いに走る

突然びびって、元金返し始める

突然びびって、宝くじ買い占める

突然びびって、なかったことにする

とか色々あるやろに。

まあ、なんでもええねんけど、

要するに日常会話的に話の筋がつかめるとは思えんのや。

 

ところが、英語で書かれた経済学の本は(経済談話の本ちゃうで)、

日常会話の延長で話が分かるようになっとる。

また、ところでやけど、

このアメリカの借金、日本にいつ返しよるかという時の借金を

僕は国債と解釈して前のメール書いたんやけど、

どうやらそうではない解釈の返事やな。

要は、根本的に話がすれちごてるわけや。

 

 

ところで、アフガン支援国会合ちゅうのが7・8日に東京であったけど、

インターネットみても大したこと書いてないし、

注目もされんまま終わったみたいやな。

テレビのニュースもとりあげんかったか。

 

相変わらず忙しいというか血圧上がるようなことばっかりやけど、

今日は久しぶりに気分のええ会議で、高揚してようけ書いてもたな。

完全勝利の会議なんてめったにないけど、今日はバルチック艦隊の撃破なみやった。

なかなかスリリングやったなあ、と思い出してはふやける週末になりそうや。

劣等国根性があるんやろな、イギリスとカナダを沈没させたというのが

また気持ちええ原因なっとると思う。

ネパールとスリランカ、敵にしてもしゃあないもんな。

なんのこっちゃ分からんやろけど、

国益の衝突がもろに出てくるのが国連内の仕事の実態や。

中立もへったくれもあらへんで。

本気でそんな夢みてんのはたぶん日本だけやろ。

 

イギリスが当然のごとく覇権制覇に入る一撃を放ったところへ、

カナダがすかさず加勢しよった。いつもの欧米連合や。

そこへソマリアが槍で牽制を始めた思たら、

デンマークがガツーンと強烈な大砲をイギリスにぶちこみよった。

休む間もなく、オーストラリアが旧宗主国のイギリスに反旗を翻しよった。

すぐに英・加は同盟化して応戦したが、

シンガポールの軽機関銃乱射が始まった。英・加はこれをなめてかかろうとしたが、

ネパールも乱射に参加したもんやから、強烈な銃撃戦の展開や。

そこにオーストラリアもさらに援護射撃を加え、

ここで形勢を読んだアメリカが反英・加にまわった。

ほとんど英・加の命もこれまでかと思われたところで、

ソマリアが槍でとどめの一撃を刺して停戦とあいなった。

英・加は席をすかさず立って退散や。

スーダン、ミャンマー、ナイジェリア勢が勝利同盟の祝福を始めた。

結局、『英・加』対『デンマーク、ソマリア、オーストラリア、アメリカ、シンガポ

ール、ネパール、スーダン、ミャンマー、日本』という形勢で勝負がついたわけや。

で、お前は何しとったんや?と思うやろから、

一応書いておくと黙っとったんや。

情けない、やっぱりおまえも日本人かということで話をまるく納めてもええんやけど、

そういうわけでもないんや。

外地で獅子奮迅の戦いをしてる日本人という神話形成のために書いておくと、

今日の壮絶な戦闘は、

実は「日本」対「英・加同盟」という形で長期戦に入っとったもんなんや。

今日がその関ヶ原やったわけやけど、

「英・加」はこれまで水面下で工作活動をして、完全勝利をもくろんどった。

こっちもじっとしとったわけやない。ソマリアにまとめ役、

デンマーク・オーストラリアに正面突破役、

シンガポール・ネパールに側面攻撃役の配分工作したのがわしや。

これ全部のしくみを知ってる奴は誰もおらん。

わし一人が考え込んで作った作戦やったし、工作も一人でやったしな。

そして本番では決して「英・加」に日本直接攻撃のチャンスをやらんという方針にしたんや。

これがきょうのだんまり作戦や。

こんなうまいこと行くとは思わなんだけど、こういうことがあると

ろくでもない政治家がチョロチョロ動いて謀かりごとに、

のめりこむ心情がちょっと想像できるな。

普段は素朴に単独正面突破やから現場の戦闘行為しだいで

結構ギャンブルみたいにやってる。

会議とは本来そのためにやるもんなんやからな。

すべての会議が出来試合なら、そもそも会議なんていらんわけや。

今回は相手のやり方に超むかついて、

ほんならこっちもやったろやないかえと思ったわけやど。

 

いつまで書いとんねんてか?

ほな、さいなら。

 

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Date: Sun, 13 Dec

----番台後----

一応誰にでも分かるように書いとったつもりやけど、そんなに言葉づかいが変かな。

 

もちろん、アメリカの日本に対する借金は、大半が国債やから、ロバ兄の理解は正しかったですわ。大事なのは、日本企業や政府にとってアメリカの国債が利益を生むのは、円とドルの相場が安定しているか、あるいは対ドル円安に振れた場合だけやと言うことです。対ドル円高になった場合には、利益どころか損が出ます。利息の合計より為替損のほうが大きくなるわけです。ところで、現在、ドルが円に対して、120円前後で保ってられるのは、日本の経常黒字の多くの部分が、アメリカ国債とかアメリカ企業の株を買うのに使われるからです。アメリカの国債やドルを買うためには、円を売ってドルを買います。その結果、ドル買いが増えて、ドル高になるわけです。たとえば、もし、日本の民間企業、政府が一斉にアメリカ国債を売り払ったら、1ドル50円くらいになると言われてます。こら、世界恐慌を確実に引き起こしますな。ですから、日本としてはアメリカ国債は売れません。

けど、それでもドルが下落する可能性はあります。今のところ、ドルが下落しないのは、アメリカが貿易赤字、財政赤字(クリントンはなくなったと言うてますが、アメリカ国内でも嘘やと批判されてます)を増やしつづけても、日本やその他の国がアメリカ国債を買ったり、外貨準備にドルをもったりして、ドルを買い支えてるからです。たとえば、日本が経常赤字(貿易赤字と財政赤字とsの他もろもろ)を垂れ流しつづけたら、確実に円は下落します。なにせ、輸入代金とかあるいは海外から投資への利息を払うために、外貨が必要で、外貨を買うためにせっせっせと円を印刷しますから。貨幣も商品と同じで、供給量が増えれば価値が下がります。アメリカが日本と同じ運命をたどらないのは、輸入代金を払ったり、利息を払ったりするのに外貨を買う必要がないからです。別にドルを印刷しなくても、みんながアメリカの株や国債を買ってくれるので、アメリカにドルが帰ってくるからです。つまり、アメリカは、ばんばんお金を使って、外国にドルを流出させますが、借金として、ドルをブーメランのように返ってこさせるわけです。

 

けど、借金には当然のことながら限界があります。無限に金を貸す金貸しはおりません。たとえば、借金の利息が収入を上回るような相手に金を貸すアホはおらへんわけです。たとえば、アメリカ政府の歳入を国債費が上回るようなっても、アメリカ国債を買いつづけたらあほです。けど、ほんとは、それは大馬鹿野郎です。実際には、借り手の生活費と借金の利息の合計が、収入を上回った時点でアウトです。ただ、難しいのは、どの程度まで相手が生活を切りつめて、借金を返そうと考えるか、ということの判断です。同じことがアメリカ政府にも言えます。どの程度まで、その他の予算を緊縮して、国債を償還するかは、誰にもわかりません。だから、今が金を貸すのを(つまり、アメリカの国債や株を買うのを)止める時なのかも知れないのです。

 

もちろん、みんなが一斉にアメリカ国債や株を売り払ってしまう、というのは考えにくいです。借金付けの企業が、追い貸しを急に止められたら、即座に倒産です。アメリカを倒産させるのは、世界経済を大混乱に陥れるでしょうから、皆自主規制します。ただ、徐々にアメリカの国債や株を売って、アメリカ以外の優良企業とか優良政府の債権や株を買って行くでしょう。たとえば、ユーロの安定が見込めるなら、ユーロ圏の国債や株を買っていくことになります。アメリカは、追い貸しを急に止められはしないにせよ、少しずつ借金できる額が減っていきますから、経常赤字を穴埋めするためにドルを印刷するしかありません。その結果ドルが徐々に下落する。この場合、一番損をするのは、一番大量のアメリカ国債を保有している国です。アメリカを一気にぶっ潰す行為に出れば国際世論の非難を浴びますから、徐々にしか売れない。だから、為替損でアメリカ国債の利益がもはや見込めない状態になった時にも、一番大量のアメリカ国債を持っていることになります。それが日本です。

 

これがこの前に触れた短期資金となると、もっと大変です。アジアの通貨危機でも、この短期資金が大きく絡んでました。普通企業への投資とか国債への投資には、比較的長いスパンで金を貸すということになります。もちろん、国債にも長いのや短いのがありますが、一週間の国債とか社債なんかは存在しません。ところが、金をちょっとの間だけ貸したいちゅう需要は沢山存在します。額が大きくなると、二三日貸すだけで、莫大な利子を生じますから。普通短期金利は国債なんかの金利より易くなりますから、恒常的にそうした短期の貸し手を見つけられる場合、その貸し手から、金を借りて、国債を買えば利ざやが儲かります。つまり、複数の短期の借入金で長期の貸し出しが可能になるわけです。たとえば、アメリカの銀行は高金利ですから、日本の銀行で金があまった場合、二、三日だけ、アメリカの銀行に貸す。アメリカの銀行は、それでもって、国債や株を買う(株を買うのは不可能やけど)、あるいは国債や株を買いたいという人に金を貸す、という仕組みができてる場合、もし、日本からの短期貸し出しが途絶えたら大変です。もちろん、日本以外の国から短期貸し出しを見つけられれば良いのです。けれども、アメリカの経常赤字額がもう限界だと見切りを付けられた、つまり、生活費と支払利息の合計が収入を上回ったと見なされた場合、どの国の銀行もアメリカの銀行にお金を貸さないでしょう。アメリカ政府がドルを大量に印刷し始め、ドルが暴落すれば、為替損で元本割れを引き起こす可能性が高いわけですから。こうなると、もうはちゃめちゃです。あっという間に、アメリカの銀行は取り付け騒ぎです。なんせ、資金繰りがうまく行かへんわけですから。もちろん、株を買ったり、国債を買ったりする資金を供給していた銀行が一大事となれば、株価も国債も下落。そして世界中の投資者が、大損をしないうちに、アメリカの株や国債を売り払ってしまおうとしますから、さらに大暴落が起こります。もちろん、アメリカの株や国債を売ろうと思ったのはドルが下落するという予測に基づいてですから、株や国債を売って得たドルもまた皆が手放して、ドルも大下落です。

 

どうでっか、今度は日常会話的に理解でけましたか。

 

最後に、勘定、計上、収支に相当する英語でんな。『為替市場の読み方』では、経常勘定(current account)、資本収支(capital account)となってて、その一方で、貿易収支は trade balance、貿易外収支は invisible trade balanceとなっとりまんねん。この時点で収支の原語が何なんかようわかりましぇん。ちなみに、金融勘定はcash accountでんな。計上については、どうやら我が輩が勘違いしてたらしい。金融計上とか資本計上という言葉が、今確認しても本の中に見あたらへん。そやから、経常勘定、資本勘定、金融勘定、もしくは経常収支、資本収支、金融収支の六種類の組み合わせがあるはずやねんけど、本の中に出てくるのは、経常勘定、経常収支、資本収支、金融勘定の四種類だけやな。それにしても、balance、accountと、収支、勘定の対応関係は不明やな。だいたい、current account とか capital accountてフローの概念やろ。一方、balanceて、ストックの概念と違うかな。ちなみに、フローとストックの違いは、大まかに言えば、家計簿での一年間(その他任意の期間)の全収入と全支出の合計で、ストックは年末(その他任意の日付)に残った現金預金と借金やと思うけど、ちゃうかな。このあたりも未だ、イマイチ用分かってへんな。