日韓戦        1997.10

 

 日本対韓国の試合がどういう結果で終わったか、何でも知ってるXXやったら当然知っているわな。そやから、思い出すんも気ぃ重いけど、ちょっとだけ書いとこか。

 日本はこの試合に初めて”ロペス”という帰化して(日本人になって)まだ1週間という男を先発のセンターフォワードに使っいよった。このロペスが普段どんなプレーしとったんか全然見た事も無いから知らんかったが、この試合では、パスを出す相手の意思をほとんど理解してへんかって、はっきり言ってかみ合うてなかったっちゅうのが実状やな。

 試合は前半0−0で折り返して、後半、あれは相馬やったと思うけど、決定的なシュートが一発あった。シュートはゴールポストに当たって跳ね返ってもうたけど。前半からそこまでで最も決定的なシーンやった。そのあたりから日本のペースで試合は進み、山口が自分で持ち込んで芸術的なシュートで一点をもぎ取った。

 その後もしばらく日本ペースで試合は続いたんやけど、加茂監督がロペスに替えてフルバックの秋田を投入したあたりから徐々に試合の流れは韓国に傾いて、そして、ついに追いつかれて、その数分後加茂監督も「まずい」と思ったか、今度は西澤を投入しようとメンバー交代の準備は出来てたのに、結局ボールが一度もOUTにならんい間に韓国に2点目をGETされてしまった。

 この敗戦は加茂ジャパンにとっては、ものすごい痛手の大きいものになるやろな。

アナウンサー、解説者はもちろん、久々に見たNHKのニュースでさえ、ロペスの交代が敗戦を招いた、監督の采配ミスであるか様な編集しとったからな。

 NHKのニュースなんかはひどいもんで、前半はロペスを中心に積極的な攻めを展開しましたが、なんてたった一回放っただけの枠にも入ってないロングシュートのシ−ンを繰り返し、映し出しとる。「1点をとったあと、試合は日本ペースでしたが、ロペスに替えて秋田を投入してから試合は一挙に韓国ペースになり・・・・」

 なんで大きい痛手か。別に加茂采配が何言われようとどうでもええねん。元日本代表、現在リポーターの連中らが、試合終わった後で、選手つかまえて、「あのメンバーチェンジが試合の流れを変えたと思いませんか」とか聞いとんねん。先輩らにみんなそない言われたら、選手もそうちゃうか、と思て監督不信になるやろ。監督不信イコール加茂ジャパンの申し子の山口(事実上の今の日本のゲームメーカーや)と他の選手との不協和音につながりかねへんからや。これからチームがたがたなる可能性あるで。そうなったらラモス投入すんのが一番ええねんけどな。無理やろな。

 はっきりゆうて、ロペスは替えられて当然やった。なんでもっと早い事替えへんのかな、と思とった。ほんまやったらフォワードの選手と交代して欲しかったんは、事実やけど、監督の気持ちもわからんでも無いで。UAEも韓国も日本のいつもの後半バテ気味への戦略やろうけど、後半になって「なんでこんな選手温存しとんねん」と思う様な、スピードのある主力選手を投入してきよったから、そのスピードを封じる選手を入れなあかん、と思てんやろな。いや、実は一点で満足してあとは守りに入ったろか、とほんまに思ってたんかもしれんけど。

 ただな、サッカーは野球とちゃうで。監督に次は「バントせい」「盗塁せい」「ヒットエンドランや」ていちいち命令されながらするスポーツちゃうんや。グランドに立ったら、もう監督の手とうに離れとんねん。そやから守りに入ったんは監督や、いうより選手そのものや。あの一点取られたんは、そもそもキーパーの川口の怠慢プレーが原因や。誰もその事言えへんし、リプレイでも韓国の選手がセンタリングするシーンしかせえへんからあとからあのプレーは誰も気ぃつけへんけど、そのセンタリングの前に韓国の選手の蹴ったボールが川口の前をテンテンテンと転がってきたんや。

 マイボールや。川口は余裕で追いつけるところにおったから、そのボールを前線に蹴り出して「あがれー」って指示出して、速攻かけささなあかん。それをそのまま、見過ごしよった。そのままテンテンテンと転がってタッチに出てマイボールのスローインからゆっくり試合を進めるつもりやってんやろな。一点勝ってるから、ゆっくりプレーして時間はよたてへんかな、っちゅうプレーや。韓国のサイドバックはそのテンテンテンを見過ごせへんかったな。後ろから猛烈にダッシュしてきてそのボールに追いつくや、そのままセンタリング。そのボールをヘッドで中央に折り返されて、最後はヘッドで押し込まれた。そのままの勢いで、日本がオタオタしてる間に2点目を入れられてジ・エンドや。

 韓国にとって日本は永遠の格下チームなんやそうや。永遠の格下チームに負けたら国辱なんやな。昔、柱谷がようゆうとった。韓国の選手は日本を相手にする時だけ、目の色が違うって。結局その目の色に負けたんかもしれんな。

 ただ、韓国戦のあと、韓国の監督が記者会見で、ロペスの事をすごいストライカーやっちゅうとったんは気にいらんかったな。あれは俺の思いこみかもしれんけど、わざとロペスをすごいとゆうといて、そのすごいストライカーを外国から韓国戦の為に雇い入れた汚い日本のやり方、わが韓国チームは格下日本がそんな汚いやり方できても勝ったぞ、と次の日の韓国のマスコミに書いてもらうのを意識して言ってる様な気がしたな。

 ほんでも反則うまいな、韓国は。昔々の初芝対摂津やったか、北陽対摂津やったかの試合思い出したで。初芝の選手の反則うまかったもんな。中田あたりは、相当苛立っとったで。パス出した後、空いたスペースへ走り出そうとすんねんけど。腕つかまれたり、足けられたり、ひっかけられてこかされたり。審判も見とっても、その時は日本ボールやから、アドバンテージとって反則にせえへんわな。ほんでも中田が本来走り込んでくるはずのところへ、走ってけえへんからチャンスの目がつぶされとる。

 一回な、日本選手が韓国選手に反則したシーンがあってんけどな、そんなたいそうな反則やないで。韓国選手がこけたまま、ボールを股にはさんどったんや。なんとかそれを取ろうとして足当たった程度のこっちゃ。ほんなら、サイドバックのほうから相手の選手がとんできて、その日本選手を突き飛ばしよったんや。「あっレッドカードやな、あれは」と思とったら、イエローカードが日本と韓国の両選手に出された。

 これ、どこのホームゲームや、と思たで、何万人かおるサポーターは何しとんねん。

「フランスへいこうー」って青いユニフォーム着て歌、うととるだけが能やないで。

ちっとは怒りださんかい。俺なんかテレビの前で、「何さらしとんじゃい」ってどなってもうたくらいやのに。ああやって威嚇すんのも韓国の選手の昔からの戦術や。カズも何回か相手のバックに思いっきり怒鳴られとった。でもホームでそれさしたったら何のためのホームゲームかわからんやんけ。日本のサポーターっちゅうのんもまだ、ホームとアウェイの違いをまだようわかっとらんな。

 これも昔々やけど、まだ日韓定期戦ちゅうのんをやっとった頃や。長居競技場へ日韓戦観に行った事があんねん。日本リーグの試合なんか会社の応援団おるくらいで、ほとんど閑古鳥が鳴いとった頃で、全日本の試合ゆうたって今みたいに超満員どころか、客はパラパラの頃や。ほんでも、客席のあっちこっちにやけにもりあがってる集団がいくつかあった。その試合で、日本のバックの選手が相手の選手をこかしてもうたんや。選手の名前忘れた。その時、その日本選手は、相手の選手から罵倒されただけちゃうで。観客席からいっせいに「おのれ、XX(選手の名前)何さらしとんじゃい。東京帰られへんようにしてまうど」「新幹線に無事乗れると思うなよこのボケ」

の集中攻撃や。びっくりしたわ。いったいここどこや、って思たもんな。もりあがってる集団ちゅうのんは、全部韓国の応援団やってんな。あの日本選手は、完璧にアウェイで試合やってる気分やったやろな。それが、意味わからん言葉でやじられたらまだましやけど。聞こえてくんのは、意味のわかるおっとろしい言葉ばっかしや。それからその選手プレーが縮み上がってもうとったで。長居は韓国のホームグラウンドやったんやな。そのホームの使い方を応援団はよう知っとったで。

 

 なんか今回の日本代表より4年前の代表の方が「わしらがアジアチャンピオンや」ちゅう気持ち持っとったような気すんねんな。4年前の方がもっと世界に近かった気するな。今から建て直すんやったら、日本も後半の布陣を作り直して欲しいな。ラモスが代表復帰を半年くらい前からアピールしとったけど、加茂監督が起用せえへんかったんは、自分のコントロール出来る選手や無いと思たからやと思うんや。もう今更コントロールしようなんて思わんでもええわい。あの老骨にむち打って闘志満々で最後まで走るあの男を入れる方が、監督のコントロールより、よっぽど若手には効き目あると思うやがな。

 ロペスは、今んとこいらん。後半にラモスとあのゴン中山とスピードと突破力のある猛獣岡野の3人入れて、後半に弱い日本を変えてまうんや。こんなとこでゆうとってもせんないのはわかってる。

 

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