その(6)
1999.01.26 <オグ>
歩けども、歩けども、砂漠は続く。日はすっかり昇り切った。後方の兵士たちは相変わらず、きっちり一キロほど離れて付いて来る。
ロバはろばに尋ねた。
「もうだいぶ歩いたな。いつになったらガキズタン国に着くんや?」
「そんなもん分かるかい。」
こいつしゃべれるようになったと思たら、急に態度がでかなったな。そう思ったが、我慢した。
「しゃーないわ。こいつしか道を知らへんねんから。」
ロバは何の目印もない砂漠を見渡して、そう呟いた。だが、ろばは大きな耳でそれを聞きつけて言い放った。
「そんなん、俺も矢口らへんで。」
「イ可!!!!」
ロバは思わず大声を張り上げたが、ろばは平気で、あっさり言ってのける。
「何で俺が、ガキスタンに行く道を知ってるねん。お前アホとちゃうか。俺はガキの時から、お前と一緒におってんぞ。俺がガキスタンなんか行ったことないんくらいすぐ分かるやろ。」
「あ。」
「あ、やない。」
「お前、そやけど、それやったら、その、これから、どないするねん。」
「取り乱して、指示語を連発するな。」
「この際、どうでもええことやけど、お前、ろばのくせに難しい言葉を知ってるな。」
「話を脇道にそらすな。」
「そうやったな。それで、これからどないするねん。何か策でもあるんか。」
「ない。」
「ほなら、あの後ろから付いて来るやつら、どないすんねん。いずれ、ばれるぞ。」
「そら、ばれるな。」
「お前な、ばれたら、どうなると思てるねん。」
「そら、殺される。ご愁傷様や。」
「こら! お前、イ可をン令青争になってるんや。恐いことないんか。お前、殺されるねんど。」
「イ可でや。」
「お前、あいつら伊達に金矢石包もってるんとちゃうぞ。撃たれるねんぞ。痛いぞ〜。」
「そら痛いやろな。ところで、誰が撃たれるねん。」
「そやから、俺らが撃たれるんや。」
「イ可でや。」
「お前、あいつらは、俺らがガキズタンからの使者やと思てるねんぞ。嘘やったとばれてみい、絶対、あのカラシニコフで撃たれるぞ。豆頁も月匈もぜ〜〜んぶ、吹っ飛ぶぞ。痛いぞ〜。恐いぞ〜。」
「そら、痛いわな。恐いわな。で、誰が撃たれるんや。」
「俺らやないかい、俺ら。お前おちょくっとるんか。何遍同じこと言わすねん。」
「そら、こっちの台詞や。何で、撃たれるのが、俺らやねん。」
「せ・や・か・ら・や・な、騙されたと知ったら、あいつら怒り狂って、俺らを、、、」
「何でろばの俺まで撃たれるねん。」
「あ。」
「あ、やない。」
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誰か続き書いてや。