その(4)
1999.01.20 <オグ>
ロバは叫んだ。
「なんやて、お前、俺のステーキ食いたいてか?」
ろばは素知らぬ顔をした。だが、口からよだれが垂れている。ロバは考えた。
「なんやこいつ、俺のほうは一生懸命我慢してたのに、こいつは俺を食いたいと思とるんやな。よっしゃ、こいつがその気なんやったら、俺にも考えがあるで。」
ロバは計略を巡らせて言った。
「そらそやな。それが合理的や。長年連添った仲やもんな。両方とも生き残ることがでけへんのやったら、たとえ片方でも、っちゅうやつや。よっしゃ、食われたろ。お前、俺を食いたいんやろ。」
ろばは空腹のあまり、、思わず頷いた。
「やっぱりそうか。おし、俺も男や。ほら、ここにナイフがある。さあ、こっちに来てみ。」
ろばはなおもロバの考えに気づかずに近づく。
「ほれ! お前しっかり、このナイフを握って、俺の心臓をえぐれよ。」
ロバはナイフを差し出した。もちろん、ろばの蹄では握れない。
「ほら、どないしたんや。遠慮は要らへんで。どんと来い。ほれ。」
ろばは必死で蹄を開こうとしたが、開かない。
「なんや、折角これほど言うたってるのに、でけへんのんか。ま、しゃーないな。長年の友を殺すのは、ほんま忍びないもんやさかいな。おし、俺がその役を引き受けたろ。」 そう言うや、ロバはナイフを振り上げた。ロバの頭の中にはもはや、一つの言葉しかない。
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
「ろばのステーキ」
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
どや、誰か続き書かへんか?